ホンダ「CB250R」を10倍たのしむブログ

ホンダのCB250Rを中心に、バイクに乗る事触る事の楽しさをたくさんのライダー諸氏と共有するためのブログです。ライディング、カスタム、整備、検証など私が出来ること知っている事は何でも公開していくつもりです。

「CB250R」の実走インプレ CBR250RRと比較してみる。

CB250R(2018年式 ABS無し)を購入する前にお店で試乗した事があったので、その時の事を書こうと思います。

ちょうどCBR250RR(2018年式)の試乗もできたので比較インプレです。

※その後CB250Rを購入しCBR250RRと乗り比べる機会があったのでいくつか追記しました。

 

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今回の評価項目

エンジン

カタログの諸元を見ると以下の通りになっています。

 

「CB250R」

水冷式単気筒 最高出力 27ps/9,000rpm 最大トルク 23N・m/8,000rpm

 

 CBR250RR」

水冷並列二気筒 最高出力 38ps/12,500rpm 最大トルク 23N・m/1,1000rpm

  

諸元から予想できるのは、CBR250RRが高回転高出力型のエンジンなのに対して、CB250Rは中低回転型のエンジンを載せているという事です。

 

 実際に試乗した時の印象も予想の通りで、CB250Rは発進直後から5,000回転付近でしっかりパワーが盛り上がるのに対して、CBR250RRは低回転域はやや非力だが7,000回転から上ではっきり差をつける感じです。

 

通常の街乗りでは、中低回転型のCB250Rの方が軽量な車体(CBR250RRより23kgも軽い!)と相まって元気よく加速してくれます。

対して、CBR250RRはサーキットや高速道路で本領を発揮してくれるでしょう。

 

CB250Rは低いギアでアクセルを開け始める時のドンツキ感がやや強めでした、そこはちょっと欠点かな。

CBR250RRも走行モードを「スポーツ+」にするとドンツキ感が強めに出ますが、モードを「スポーツ」や「レイン」にすることでかなり緩和させることができます。

 

ちなみに1速全開時のメーター速度はCB250Rが 52km/h、CBR250RRが 66km/h でした。

2速全開時はCB250Rが 75km/h、CBR250RRが 96km/h でした。

 

最高速はCB250Rがメーター読みで154km/h。

CBR250RRは未計測ですが、雑誌の計測結果では実測170km/hに達するそうです。

 

ブレーキ

当たり前の事ですが、どちらも普通に効きます。

制動力と効きのフィーリングも似ていると思います。

急制動では車軸が短いCB250Rの方がリアが浮きやすいみたいです。

 
 

どちらのバイクもブレーキレバーの作動位置は遠めで、ストローク量も少なめです。

この辺りの感触は好み次第ですが、人によってはレバーが引き込み難い、サーキット走行では回転合わせ(ブリッピング)がやり難い、といった事もあるかと思います。

ブレーキの作動位置を変更したい場合は調整機能付きの社外品レバーに交換しましょう。

もしくはレバーの付け根をヤスリで削りましょう(←当然ながら正当な手法ではありません)

 

それとCB250Rのフロントブレーキキャリパーは対向4ポッドラジアルマウント/ツーピース型に対して、CBR250RRはフローティング4ポッドアキシャルマウント/モノブロック型です。

構造の違うキャリパーを搭載した二車ですが、今回の試乗では効きの違いはわかりませんでした。

そこだけに集中して操作すれば何かわかったのかも知れませんが、街乗りで普通に乗ってわかるほどの違いではないと思います。

ちなみにパーツリストを見ると、お値段的にはCBR250RRのキャリパーの方が高価でした。

 

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↑ 左がCB250Rのキャリパー、右がCBR250RRのキャリパー。
キャリパーマウントボルトが差し込まれている方向が違います。
 
乗車姿勢と足つき

これは見た通りCB250Rはライダーの上体が起きるポジションで、CBR250RRは強い前傾です。

CB250Rは上体は起きているけど、ハンドルの位置はやや低くて幅広いストリートファイター系です。

同じ丸目ライトのネイキッドでも、CB400SFのような標準的なネイキッドの乗車姿勢に慣れた人にとっては少し違和感があるかもしれません。

 

上体が起きているCB250Rの利点として、長時間乗っても疲れにくい事とUターン操作がしやすい事があげられます。

また、最小回転半径もCB250Rの2.3mに対してCBR250RRは2.9mなので、CB250Rの方が小さくUターンできます。

※Uターンで180°回転した時の幅はCB250Rは4.6m、CBR250RRは5.8mになります。

 

CBR250RRの強い前傾姿勢とカウルの利点は空気抵抗が小さい事です。

中低速では大した違いを感じませんが、時速100km以上で上体を伏せて走ると明確に風の抵抗の違いを感じます

もっとも高速道路でも法定速度は100km/hなので、CBR250RRの空力性能はサーキット向けの性能といってよいでしょう。

 

シート高はCB250Rが800mmでCBR250RRは790mm、しかしリアサスの沈み込みはCB250Rの方が大きいので実際の足つきはあまり変わらないと思います。

ちなみに171cm/53kgの私で、どちらのバイクもかかとが少し浮くくらいで足つきに問題は感じません。

 

ハンドリングと軽快性

こちらは街中を普通に走った程度では違いがわかりませんでした…

交差点を曲がった時のハンドリングは似た感じにしか思われなかったし、軽快性についても街中を大人しく走っただけではほとんどわかりません。

 

しかし、参考として中低速のコーススラロームでCB250RとCBR250R(後期型)を乗り比べた時は、CB250Rの切り返しがハッキリと軽く感じられました。

体感的な軽快性は必ずしも総重量だけでは決まりませんが、おそらくスポーツ走行時の軽快感はCBR250RRよりもCB250Rの方が上だと思われます。 

VTRやMT-25と比べても軽快なので、CB250Rは250ccの中でもとりわけ軽い部類なんだと思います。

※CB250R [142kg] CBR250RR [165kg] CBR250R(後期型) [164kg]

 

一方、サーキット走行における高速旋回性能はCBR250RRが圧倒的に上回ります。

対して、CB250Rはサーキットを走るための性能を与えられていないといってよい程、高速コーナリングでの安定性に欠けています。

ミニサーキット(カートコース)の速度域なら問題なく攻めていけますが、普通のサーキットは厳しいでしょう。

 

低速での小回りについてはCB250Rの方が断然に得意で、低速バランスに自信がある方は低速でクルクルと小さく回るCB250Rの特性は楽しいと思います。

 

 

電子制御スロットルと走行モード機能

CBR250RRは電子制御スロットル(スロットルバイワイヤ)と走行モード切替機能を装備しています。

対して、CB250Rは古典的な機械式ワイヤーです。

 

機能的には機械式ワイヤーだと単純な開け閉めしかできないのに対して、電子制御だとコンピューターが介入するので、そこで様々な補正や調整を加える事ができます。

 

ホンダの解説では「CBR250RRはスロットルバイワイヤの採用により、上質で安定感のある加速フィールを獲得している。」と書かれています。

「そう言われれば、そうかなぁ」と思いますが、そもそもCB250RとCBR250RRではエンジンの性能も性格も違うので、その辺りの恩恵については私にははっきりとはわかりませんでした。

 

それよりも、スロットルバイワイヤの恩恵を感じやすいのは付随している「走行モード切替機能」でしょう。

CBR250RRの走行モードは「スポーツ+」「スポーツ」「コンフォート」の三種類があります。

 

「スポーツ+」 もっとも強くパワーが立ち上がる、ただしアクセル開け始めのドンツキのギクシャク感も強め。サーキットでタイムを詰めたいならこのモードでしょう。

 

「スポーツ」 スポーツ+とコンフォートの中間の標準的なモードで、一番気持ちよくスポーツできると思います。街乗りやツーリングもこれでいいし、サーキットでもタイムを最優先にしないならこちらがオススメです。

 

「コンフォート」 パワーの立ち上がりが穏やかで刺激がないが、加速やドンツキも穏やかなので雨の日や二人乗りでは良いと思えます。二人乗りはした事ないですけどね。

 

スロットルバイワイヤのもう一つの長所として、「オートブリッパー機能」を後付けできるというものがあります。

ようするにシフトダウン側のオートシフターですね、これを装着するとクラッチ操作なしでチェンジペダルを踏むだけでシフトダウンができるようになります。

本格的にサーキット走行する人しかつけないと思いますが、値段は5万円くらいだったと思います。

 

ハイスロットル化については、機械式のCB250Rの方が安価にできます。

 

 
フロントフォークとタイヤ

私の体重が53kgと軽い事もあって、どちらもフルブレーキでフロントフォークが底の方まで入りませんでした。

両車両ともリアが浮き上がるほどの急ブレーキをしたにもかかわらず、フロントのストロークが結構余っています。

どちらのバイクもフロントにプリロード調整が付いてないので、その分の余裕を持たせているのかも知れません。

 

これはフォークが受け止められる荷重の限界が高く、つんのめりにくい長所がありますが、スポーツバイクとして見るともう少しストロークを大きくした方が積極的に曲がれるし気持ちよくブレーキできるはずです(これはCBR250RRについても同様に思われます)。

※フォークの調整はバネや油面で行えますが、フロントフォークの突き出し量の変更だけでも結構改善することがわかったので、別途記事にしました。

メーカー指定タイヤはどちらもダンロップのGPR-300(OEM仕様)で同じです。

しかしCB250Rはリアタイヤのサイズも 150/60-17 と太めです。

軽快感を押し出すなら 140/70-17 の方が良いはずですが、敢えて軽量な車体に太いタイヤを履かせて安定感を与えているという事なのかもしれません。

しかし、リアホイールのリム幅が4.00なので、そのまま 140/70-17 に換装することも可能です。

更なる軽快性を追求するならリアを 140/70-17 に換装するのも良いかもしれません。

 

CBR250RRのリアタイヤは、ホイールのリム幅はCB250Rと同じ4.00ですが、タイヤサイズは 140/70-17 です。

CBR250RRでサーキットを走る場合は、コーナリングのグリップと安定性を優先して150/60-17 を履かせるのもありかと思います。

 

指定タイヤのGPR-300(OEM仕様)についても書いておきます。

まず、OEM仕様とはタイヤメーカーが特定の車種専用に製造したタイヤという意味で、同じ銘柄のタイヤでも汎用の製品とは性能や価格が違います。

つまり、ダンロップのGPR-300には汎用仕様とOEM仕様の二種類があるわけです。

 

性能的にはまっとうにツーリングタイヤです。

温度依存性が低く扱いやすいですが、グリップ力はツーリングタイヤ然としていてガンガン攻める走りには向きません。

よく雑誌のインプレ等でラジアルタイヤなのでグリップ力が高い等と書かれていますが言い過ぎだと思います…

大抵、比較対象がライバル車のRX-01(ノーマル)なので、それよりは良い程度だと思います。

グリップ力が欲しいなら素直にスポーツタイヤを履きましょう、バイアスでもスポーツタイヤならグリップ力はGPR-300より明らかに上です。

ただバイアスタイヤに比べて、軽くフロントからクルリと回頭する性格をしているようです。

クルリと回るからよく曲がるというわけでもないですが、これは好みの問題ですね。

これは低中速、中バンク角で曲がる時に感じやすいと思います。

CB250Rのフロントがクルクル回る印象も、ある程度はこのタイヤによるものと思われます。

 

 

 【まとめ】

CBR250RR・・・峠~サーキットを得意とするスーパースポーツ

CB250R・・・市街地~峠までを得意とするストリートファイター

という位置づけになると思います。

 

どちらもスポーツ性の強いバイクで、ゆったり走るより得意とする環境で集中して走る事に向いていると言えます。

CBR250RRを所有するなら、是非一度はサーキットに足を運んでみてほしいと思います。

CB250Rは市街地の他に、ミニサーキットやジムカーナでも本領を発揮します。

もし、本格的にスポーツライディングを楽しむつもりなら、両バイクとも車体姿勢(Fフォークの突き出しやリア車高)とパーツ(特にタイヤとブレーキパッド)の変更を行う事をおすすめします。

 

敢えてツーリングで評価すると、CBR250RRは強い前傾姿勢と良くない燃費が、CB250Rは高速道路でのエンジンの余裕不足が欠点になると思います。

  

 

※フロントフォークとリアサスペンションについては2019年式のCB250Rでは設定が変更されています。

今回のインプレのCB250Rは2018年式です。

 

 

 
 
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