私がホンダのCB250R(2018年式)を乗り始めてはや1年半以上が過ぎました。
これまで、街乗り、ツーリング、高速道路、サーキット、ジムカーナコースと一通り遊び倒してきたのでインプレをまとめてみたいと思います。
※画像はホンダの公式サイトのもの。2020年式です。
【目次】
CB250Rは街乗りが楽しい!
250ccクラスの中でもひときわ軽快で街乗りはとても楽しい!
142kgの軽量な車体と低中回転域で元気なエンジンは、街乗りにおいてキビキビとした快走感を味わわせてくれます。
交差点ではスイッと軽く曲がり、立ち上がりでアクセルを開ければ単気筒らしいダダダッとした加速の盛り上がりを楽しめる。
さらに、短いホイールベースと40°のハンドル切れ角のおかげで非常に小回りが利く。
低速バランスの腕を磨けば、駐車場やUターンでクルクルと自在に小回りをする特性を楽しむことができるだろう。
バイクを降りての取り回しも、車体が軽くて小回りが利くので250ccバイクの中でも特に楽。
また、大型バイクのような大トルクがないのでシフトチェンジを繰り返しつつアクセルを大きく開けて走れるのもバイクを運転している感があって良いと思う。
燃費が街乗りで30km/Lを余裕で超えるのも嬉しいところ。
ネオスポーツカフェというキャッチフレーズはこのバイクの性格をぴったり表わしていると思う。
シート高は800mmと高めだが、車体が軽いのでつま先さえ地面に付けば傾いても踏ん張るのは比較的容易ではある。
ちなみに2019年式から、サスペンションの設定が変更されて足つきが改善されたとの事。
それでも心配ならば、足つきを改善させる方法はいくつかある。(方法によっては年式による不適合があるので各自で確認してほしい)
- サスペンション専門ショップ(テクニクスやスクーデリアオクムラ)にローダウン加工を依頼する。
- エフェックスから出ているリアショックのエンドアイを交換するタイプのローダウンキッドを購入する(20mmダウン/¥20,000)
- ナイトロンのローダウン仕様の高性能リアショックを購入する(30mmダウン/¥100,000~)
- エンデュランスから出ているスリムシートを購入する(12mmダウン/¥11,000)
- カドヤやWILDWING等から出ている厚底タイプのライディングブーツを履く。
なお、単気筒で元気が良いといっても250ccなのでドカンと加速するようなパワフル感はない。
パワーと加速が欲しいなら、似た性格の大型バイクでMT-07があるのでそちらにした方がいいだろう。
長距離ツーリングはあまり得意ではないかも…
250ccで長距離ツーリングに向いているといえるバイクは少ないと思うが、CB250Rもまた不得意な方だと思います。
軽快でスポーツ性の高い特性の裏返しとして、ツーリングバイクとして備わっていてほしい安定感とか落ち着き感といった要素が250ccクラスの中でも乏しい。
高速道路は問題なく走れるものの非力感は否めない、カウルによる風防効果が無いがそもそもカウルが必要な速度まで出す気にはならないだろう。
荷物の積載についても、燃料タンクに樹脂カバーがついている上に立体的なデザインなのでタンクバッグが装着しにくいです。
リアシートの面積も小さく、8Lくらいのシートバッグがぴったり載る程度、荷掛けフックもないので荷物をたくさん載せるならリアキャリアを装着すべきだろう。
ただし、この積載性の問題については最近のスポーツバイクに共通する傾向だと思われる。
スーパースポーツ系に比べてだいぶ楽な姿勢と、40km/Lに届く燃費はうれしいのだけれど…
敢えて似た性格のバイクを挙げるとすればトライアンフのストリートトリプルかな。
このバイクもスポーツバイクとしてはとても楽しいのだけれど、ツーリングでは安定感と落ち着き感が無さすぎて、あまり楽しくないし気持ち的に疲れる。
ストリートファイター系に共通する特性なのだろうか。
トラック走行はコースを選ぶ。
トラックとはサーキットやジムカーナコースなど競技走行を行う場所のこと。
CB250Rは車体の構成やエンジン性能から中低速域でのスポーツ走行を得意とするが、高速域になると高速旋回安定性やエンジン出力の非力さが目立つようになります。
ミニサーキットやジムカーナコースとは相性が良く、このバイクの軽さを存分に活かして楽しむことができます。
バンク角も深いので、倒し込みでステップがすぐにガリガリ接地して興が削がれるという事もありません。
とりわけ切り返しの軽さと速さは250ccの中でも際立っていて、その敏捷性たるや「このマシンはともすればニュートンの万有引力の法則を超越しているのではないか?! 」と錯覚してしまうほど!
これは142kgという総重量の軽さだけではなく、整備性や積載性を犠牲にしてでもマスを集中化させた効果が現れている証なのだろう。
サーキット走行となるとストレートでは速度の伸びの頭打ちが早く、最高速は140km/h強かと思われます。
高速コーナーは進入から安定しないので気持ちよく攻めきれない。
速度が60km/h以下になるヘアピンだけは問題ないのだけれど。
うっかりCBR250RRやYZF-R25に勝負を挑もうものなら、直線でもコーナーでも虚しく置き去りにされるだけだろう。
ちなみに、同型エンジンを搭載しているCBR250R(MC41)の高速コーナリング性能は良好なので、この弱点はより軽量化と軽快性を優先した結果なのかもしれません。
気になる点もいくつかある。
・フロントフォークのバネはダブルレートになっており、低レート側は良いが高レート側が硬すぎるようで、ハードブレーキでもフロントが奥まで入らない。
バネのレートの具合は体重や走り方によって変わるが、スポーツバイクとして仕上げるなら自分の体重と用途に合わせたシングルレート(テクニクスから出ている)にした方がいいだろう。
・純正タイヤのGPR-300はコーナリングのグリップがイマイチなので、本格的にスポーツ走行を行うならスポーツタイヤに履き替えた方がよいです。
公道兼用ならα14(ダンロップ)やRX-03(IRC)が丁度良いと思う。
・純正のブレーキパッドはコントロール性が悪い(効きも良いとはいえないが…)。
ベスラのVD-187JLに替えるとブレーキコントロールが確実に向上するので、スポーツ走行におすすめです。
カスタム性はいま一つ…
カスタム性は以下の理由により恵まれているとは言いにくい。
・ロングセラーモデルのCB400SFやVTRなどと違い、発売開始が2018年という新しさ。
・レース活動と無縁なので、走行性能を強化するパーツが出にくい。
・車体が専用設計なので、CBR250RやCBR250RR用のパーツが流用できない。
タイヤは250ccに標準的なサイズなので、ツーリングからレーシングまで選択肢は豊富だが、ブレーキやサス周りになると途端に社外パーツが寂しくなる。
今のところリアサスはナイトロンから出ており、CB300R用の流用でよければYSSからも出ています。
フロントはテクニクスでインナーカートリッジ化(15万円)が可能ではある。
ポジション変更パーツはわりと充実しており、ハリケーンからはハンドルキット、ベビーフェイスからはステップキットが出ています。
低めの幅広ハンドルや最大バンク角(ノーマルでも深くまで倒せるが)にお悩みならば、これらのパーツでポジションの改善を図ると良いでしょう。
ちなみに、セパハン(セパレートハンドル)化は、タンクカバーとがっつり干渉する位置になるので不可能と思っていい。
マフラーは、スリップオンがビームスとモリワキ、フルエキゾーストがヤマモトレーシングから出ている。
バイクがたくさん売れるとカスタムパーツも充実してくるので、皆様にCB250Rを買って頂きたいし、もう持っている人は家族親戚友人知人赤の他人にCB250Rを強く薦めてもらいたい。
経済性は優秀。
燃費は街乗りで30L/kmを余裕で超え、ツーリングなら40L/km以上も可能!
一日300kmのツーリングが1000円で可能なのはエコの極みではないだろうか。
その気になれば鹿児島の佐多岬から北海道の宗谷岬まで10,000円で日本縦断できるぞ(下道だけど)。
街乗りでもガソリン代を気にせず走れるのは気楽である。
メンテナンスコストもオイル量が1.5Lなので自分で交換すれば2,000円でお釣りがくるし、タイヤ代もバイアスタイヤを選べば25,000円前後で購入可能。
バイクのランニングコストに懐を痛めつけられている大型ライダー達が聞けば悶絶を禁じ得ないのではなかろうか。
転倒してもメーターやエンジンケースといった高額なパーツが壊れにくいのも良い、もちろん塀やガードレールに突っ込んだらタダでは済まないが…
メンテナンス性
単気筒250ccらしいシンプルな車体構成なので、基本的に整備性は悪くない。
工具とサービスマニュアルをそろえれば初心者でも取り組みやすいだろう。
バッテリーとプラグへのアクセスが面倒なのが不便だが、特別に難しいわけではない。
ただし、フロントフォークは構造が複雑で例外的かつ無意味に整備が難しい、ここは素直にバイク屋さんに任せた方がいいだろう。
ちなみにバイクカバーはY`S GEARのバイクカバーEタイプ(Lサイズ)がぴったり収まる。