CB250RとVTRの比較インプレです。
ついでにCBR250Rもちょこっと加えてみます。
3車種ともツーリングとコーススラロームで乗った事があるので比較してみます。
【目次】
【エンジン】
CB250R・・・27 PS / 9000rpm
VTR・・・30~32 PS / 10500rpm(年式によって違う)
出力的にはVTRが上回るが特性がマイルドなので、体感的な加速感やパワー感はCB250Rの方が上のように感じる。
性格はCB250Rが単気筒らしく低中回転でダダダッと力強く加速するのに対して、VTRはフラットで滑らか。
CB250Rは信号が青になった後の発進加速が気持ちいい。
VTRは状況を選ばず安定して扱いやすい。
刺激的なCB250Rに対して、落ち着いたVTRというところか。
【コーススラローム】
同じホンダの250ccでもハンドリングの性格は大いに異なる。
CB250Rは切り返しが素早く、フロントに荷重を与えてバンクさせればスパッと小さく曲がる。
メリハリのある軽快さでキレの良い運動性能は非常に楽しいが、それなりの緊張を感じるしステアリングの応答性も無機質で馴染みやすいとは言い難い。
VTRの方はステアリングの応答も曲がり方も適度にゆったりしていて、ライダーにとってとても馴染みやすく安心感が高い、それでいてしっかり曲がるので気持ちが良い。
CB250Rのような機敏さはないが、直線でも旋回でも安定感のある走りが出来る。
物理的に軽く小さく曲がるCB250Rに対して、体感的に曲がりやすいVTRというところだろうか。
上記のようにまるで性格が異なる二台のホンダ製250ccだが、どちらもジムカーナではライトチューンでも相当のポテンシャルを発揮するのだから面白いですね。
【ツーリング】
これは言うまでもなくVTRに軍配が上がるだろう。
適度にゆったり走れて適度にスポーツできる、荷物も積みやすいし足つきも良い。
強いて欠点をあげるなら人によっては、やや前傾が強く感じられるところだろうか。
CB250Rもゆったり走ることは出来るし、当然スポーツな走りも得意。
しかし、このバイクのエンジンやハンドリングの性格故だろうが、ゆったり走っていてもどうにも何となく落ち着かない…
上体は起きているものの幅広で低いハンドルはロングツーリングでは微妙に楽ではない。(ハリケーンからアップハンドルキットは出ている。)
荷物は樹脂製タンクカバーのお陰で磁石式のタンクバッグが付かない、ベルト式や吸盤式もタンクカバーの形状が立体的なので座りが悪い。
リアシートは小さい上に荷物を引っかける場所もないので、ある程度以上の荷物を積むならキャリアを付けるべきだろう。
燃費が良いのが唯一の優位性だろうか。
【街乗り】
街乗りも実用性を重視すればVTRになるだろう。
足つきと積載性が良いし、走りにも安定感と安心感がある。
また、パーツ類が中古で手に入りやすいのも実用性の高さを後押ししている。
しかし、あくまで個人的な感想だが、走りが楽しいのはCB250Rだと思う。
CB250Rの機敏な運動性と低中回転域で元気なエンジンは、街乗りにおいて豊かな刺激をライダーに与えてくれる。
CB250Rは、やはり「ネオスポーツカフェ」と呼ぶに相応しく、行先はスーパーマーケットやホームセンターではなく「カフェ」、生活の足ではなく遊ぶために乗るバイクなのだ。
【CBR250Rと比較してみる】
CBR250Rの性格は上の2車種の中間的な位置で、VTRほどゆったりしていないが、CB250Rほどせわしなくもないといったところ。
ハンドリングは自然とフロントから曲がろうとするタイプで、サーキット向きの特性を持っていると思います。
2011年に発売された頃のサーキットではストレートではNinja250Rに敵わないが、コーナリングはCBR250Rが抜群と言われていました。
私もサーキットでCBR250R(レースベース)に乗ってみた際、コーナーでフロントからナチュラルにぐんぐん曲がっていくハンドリングにちょっと驚きました。
※その後Ninja250もモデルチェンジで進化しましたが。
前傾姿勢がやや強めなので長距離ツーリングはそれなりに疲れやすいです。
CBR250RとCB250Rのエンジンはベースが同じなので性能も似ていますが、CBR250Rの方が回り方が粗いようです。
【まとめ】
CB250R=尖ったストリートファイター
VTR=バランスの良いスポーツツアラー
CBR250R=サーキットまで視野に入れたロードスポーツ
…という解釈で良いと思います。
とにかく、どこでも乗りやすくて安心して走れるのがVTRというバイク。
もう新車では手に入らなくなってしまったが、初心者ライダーの最初の一台には最適なバイクだったと思います。
街乗り~ツーリングを普通に楽しみたい方にはVTRをオススメします。
15年以上販売されていただけにカスタムパーツも豊富です。
CB250Rはスポーツ性が高く、安定感は低いが曲がろうとする力は強い特性です。
初心者ライダーが乗って何の問題もないが、このバイクの本当の面白さを引き出すにはある程度の技術と相応しい状況が必要かな、と思います。
長所短所の特徴がはっきりしている分、長所が活かせる状況ではかなり面白いです。
CBR250Rはサーキット走行を前提にされているものの、前傾姿勢を除けば基本的には扱いやすい性格のバイクでした。
走行性能を上げるためのカスタムパーツが充実しているので、走りを追求したい方に向いていると思います。
公道仕様は販売終了になってしまいましたが、レースベース車はHRCから継続して販売されているようですね。