コーナーを曲がる時にバイクを傾けることをバンクと言い、傾けた角度のことをバンク角と言います。
深くバンクさせれば更によく曲がれるわけですが、ある程度傾けたところでステップが路面と接触してガリガリと音を立てます。
基本的には、それ以上バイクを傾けることはできないわけですが、ステップに工夫を加える事で最大バンク角を深くすることができます。
※ステップを工夫してバンク角を深くすると、車体の別の箇所(サイドスタンド、マフラー等)が接地する場合があります。
バンク角を深くして走る際は、最初は車体の接地を探りながらバイクを傾けてください。
【目次】
ノーマルバンクセンサーの撤去
まず、簡単に行える方法は純正ステップに付いているバンクセンサーの撤去です。
画像のように、ステップ下の先に付いていて、深くバンクした際にこの部分が最初に路面と接触します。
ライダーにバンクのし過ぎを知らせたり、ステップ本体を保護するために付いているものですが、これを取り外すことで最大バンク角を増やすことができます。
↑ 取り外したバンクセンサーです。
ボルトになっているので、メガネレンチ等で簡単に取り外せます。
バンク中に路面と接触して頭の丸い部分が削れていますね。
車種によっては長いバンクセンサーがついているものもあるので、これだけでも相当に効果があります。
デイトナ製 マルチステップを装着する
ノーマルバンクセンサーの撤去でも足りない場合は、ステップを社外品に交換しましょう。
デイトナから出ているマルチステップ(¥15,400)という製品を取り付けると、ステップの位置を1.5cm上げることが出来るので、バイクの最大バンク角を増やすことができます。
1.5cmアップでも結構効果がありますよ。
ちなみに、この製品はステップの位置を下げることも前後に移動させることもできます(同1.5cm)。
※メーカー別適合表です。表記から漏れていますがCB250Rにも装着可能です。
マルチステップの装着方法
まず純正ステップを外す必要があります。
ピンを抜くことでステップが外れます。
ステップ裏側の割りピンをプライヤー(ラジオペンチ)で外しましょう。
割りピンの先は強力なニッパーで切ってしまうと簡単です。ニッパーがない場合はプライヤーで根気よくまっすぐにして引き抜きましょう。
替えの割りピンは新しいものを用意してください、ホームセンターでも売っています。
噛ませてあったワッシャーは再使用できそうです。
下からピンを押し出すと、巻バネも飛び出してきます。
ピンと巻バネは、マルチステップ装着時に再使用します。
純正ステップが外れました。
ここにマルチステップを装着します。
マルチステップと巻バネをはめ込んでピンで固定します。
手で出来ますが、ちょっと力がいりました。
ピンの裏に、径1.6mmの割りピンを挿します。
割りピンは別途購入する必要があります。
差し込んだ割りピンをプライヤーで曲げて外れないようにします。
ステップバーの根本にボルトがあるので六角棒レンチで緩めます。
ボルトを緩めるとバーが外れます。
そうすると、バーを差し込む角度を45°刻みで変えることができます。
ここで好みの位置に合わせてください。
位置を合わせたら、バーのネジにネジロック剤(中強度)を少量塗布してボルトを締め込みます。
ネジロック剤は使わなくてもいいですが、その場合は時々ボルトの緩みを確認しましょう。
完成です。見栄えもなかなか格好いいですね。
ちなみに、ステップバーの長さはノーマルと同じでしたので、位置のみ1.5cm上がった状態です。
ちょっと足が窮屈になりましたが、バンク角は増えたのでスポーツバイクとしてはレベルアップです。
もっとバンク角を増やしたいという猛者は、ステップバーの先をディスクグラインダーで切断しましょう。
どのくらい切断しても問題ないかは各自で判断してください。
パーツ単位で購入できるので破損しても修理可能です。
ショートタイプのステップバーも別売りされています。
レーシングステップを装着する
お金を惜しまないなら、本格的なレーシングステップを装着しましょう。
画像は、ベビーフェイス製のCB250R用バックステップキット(¥59,500)です。
外観が豪華なだけではなく、ステップバーとペダルの位置調整が可能、ステップが固定式なので踏ん張った際の剛性が高い、ペダルがダブルベアリングなので操作性に優れている等、高い機能性を持っています。
ステップバーと内部のスタッドボルトは交換可能で、転倒時は使い捨ての車体ガードの役割もしてくれます。