4輪車(クルマ)と2輪車(バイク)の最大の違いは何でしょうか?
答えはズバリ、タイヤが4つあるか2つしかないかです!当たり前ですね~(笑)
しかし、この「タイヤが2つしかない」というバイクをバイクたらしめる特性のために、バイクは転倒するという厳しい宿命を背負っているわけです。
まぁ、クルマも無茶すれば横転しますけど、そこは置いといて今回はバイクで転倒した時にやるべきことについて記事にしていきます。
【目次】
- 【バイクを起こして交通の邪魔にならない場所に移動】
- 【ブレーキ周りの点検】
- 【車体からオイル類が漏れていないか点検】
- 【ミラー、灯火類の点検】
- 【自分の体は大丈夫?】
- 【転倒した原因を追究する】
- 【しばらくゆっくり走って動作確認】
【バイクを起こして交通の邪魔にならない場所に移動】
「ガシャーン!」「うわ~、やってもうた~!」と心の中で叫んでいても、取り合えず冷静にバイクを起こして交通の邪魔にならない場所まで移動しよう。
周りの目が気になって焦るかもしれないが、ここで焦っても良いことは何もない。
むしろ「やっちゃったものは仕方ないよね?」くらいの開き直りの気持ちで後続車に会釈するくらいで丁度いいだろう。
とにかく落ち着いて周りの状況をみて行動しよう。
【ブレーキ周りの点検】
とにかく一番大事なのはブレーキ周りの点検である。
後で走り出して赤信号で止まろうと思ったらブレーキが効かない!ではシャレにならない。
ブレーキレバーやペダルの割れや曲がり、フルード漏れのチェックとボルトの緩みチェックをしっかり行おう。
↑ 曲がったペダルとレバー。
操作可能な範囲で曲がっただけなら走行は可能。ただし亀裂が入ったもので走るのは危険なのでペダルやレバーの裏側までしっかり確認すること。
特にブレーキレバーの亀裂はNGなので、亀裂があれば即予備のレバーに交換しよう。
レバーが根本から折れてしまった場合は当然交換。
予備のレバー、持ってるよね?
↑ フルード(ブレーキ液)の漏れとボルトの緩みをチェック。
フルードが滲んでいるならネジやバンジョーボルトを締め直してブレーキを何度か強く握ってみる。
漏れが止まれば問題ないが、漏れが止まらないなら走行不可だ。
また、ブレーキフルードは腐食性が強いので車体についたフルードはなるべく早く水で洗い流そう。
ボルトは転倒時の衝撃で緩むことがある、緩みをチェックして必要なら増し締めしておこう。
↑ ホルダーとピボットのボルトも緩んでいないかしっかりチェック。ここの緩みも怖い。
セパレートハンドルの場合はハンドルの固定ボルトも注意。
↓ 曲がったレバーやペダルの修正方法。
【車体からオイル類が漏れていないか点検】
転倒したバイクからはガソリンやエンジンオイル等の液体類が漏れる事がある。
漏れる可能性がある液体は、ガソリン、エンジンオイル、クラッチオイル、ブレーキフルード、冷却水あたり。
転倒した場所の路面を確認して液体がこぼれていたら要注意だ。
また、転倒だけでは漏れていなくても、エンジンを回すと漏れだす事もある。
バイクを立てたらエンジンを始動し、ニュートラルでアクセルを煽り液体がポタポタ漏れてこないか確認しよう。
↑ 転倒したショックでバイクがお漏らしすることも…
・ガソリン漏れ→ ガス欠する
・エンジンオイル漏れ→ エンジンが焼き付いて壊れる
・冷却水漏れ→ エンジンが焼き付いて壊れる
・ブレーキフルード漏れ→ ブレーキが効かなくなる!怖ッ
ガソリンは多少漏れることが多い(特にキャブレター車)ので、一時的に漏れただけなら気にしなくもいい。
それ以外の液体は漏れていれば必ずどこかに割れや緩みがあるので原因を探そう。
エンジンオイルと冷却水は漏れるペースと家までの距離によっては騙し騙し走ることも出来るが、クラッチオイルとブレーキフルードは漏れが止まらないなら走行不可と見て良い。
それぞれの液体の見分け方は手触りと匂いでわかるぞ。
ガソリン→ ガソリン臭い、サラサラしている。
エンジンオイル→ 非常にぬるぬるしている、汚れているほど臭い。
冷却水→ 少しぬるぬるしている、独特の臭いがある。
ブレーキフルード→ 少しぬるぬるしている、臭気はあるが弱い。
【ミラー、灯火類の点検】
ミラーは割れたり曲がったりしていないか?ウィンカーやストップランプはきちんと点滅するかをチェックしよう。
ミラーが使い物にならなくなったら後方確認は気合の目視しかない(法規的にはそれでもNGだろうが…)。
ウィンカーは壊れても手信号がある。
※画像がないので「右左折 手信号」とかで検索してほしい。
教習所で習ったこの信号を世の中のどれくらいの人が覚えているかは不安だけど…
【自分の体は大丈夫?】
例えバイクに問題がなくても、自分が無事とは限らない…
軽く身体を動かしてみて痛みがないか確認してみよう。
しばらく休んでも痛みが引かずバイクの運転に支障があるようなら、ためらわずに「119番」。
「救急車!救急車を呼べー!」
特に頭を打ってフラつくとか吐き気がする場合は、運転出来そうでも救急車を呼んだ方がいい。
病院で脳のCTスキャンをしてもらおう。
【転倒した原因を追究する】
転倒には必ず原因がある、同じ失敗を繰り返さないために早めに原因を突き止めておくことが大事。
転倒から学ぶことができるか否かが、へっぽこライダーとベテランライダーを分かつ分水嶺だ。
例えばリアタイヤが滑ってコケた、という結果に対して考えられる原因はいくつもある。
アクセルの開け過ぎ?寝かせすぎ?タイヤの劣化や摩耗?タイヤが冷えていた?荷重が抜けていた?路面に異常があった?
原因が複数あるなら改善策も複数あるはず。
「カーブでバイクを寝かせて曲がっていてアクセル開けたらリアタイヤが滑ってコケた」といった場合は、寝かせ方を浅くすればアクセルの開け方はそのままでいいし、逆にアクセルを緩めるようにすれば寝かせ方は深いままでもいい。
滑ったのがリアタイヤならリアタイヤの状態を再度点検する必要があるし、リアに荷重が乗るように姿勢を変えたりセッティングすることもできる。
失敗から学ばなければライディングは上手くなれないぞ。
【しばらくゆっくり走って動作確認】
再出発後も、しばらくゆっくり走ってブレーキをかけたり変速したりして違和感がないか確かめながら走ろう。
直進中に手放し運転をしてみて、バイクが勝手に左右どちらかに傾くようなら車体の歪みを疑う必要がある。
フレームやフォーク自体が曲がってしまった場合は修正や交換が必要だが、組付けがズレてしまっただけなら、一度分解して組み直せば直る。
↓ CB250Rの例
【最後に】
今回は転倒してしまった時のことを色々書いたが、やっぱり転倒しないのが一番。
普段からきちんとした装備をして安全運転を心掛けよう!
もちろん任意保険やロードサービスに入っておくことも大切。