ホンダ「CB250R」を10倍たのしむブログ

ホンダのCB250Rを中心に、バイクに乗る事触る事の楽しさをたくさんのライダー諸氏と共有するためのブログです。ライディング、カスタム、整備、検証など私が出来ること知っている事は何でも公開していくつもりです。

「CB250R」フロント周りの分解と組み直し

今回はフロント周りの分解と組み直しです。

ブレーキキャリパーとホイールとフロントフォークを外すところまで行います。

どんな時にこの作業を行うのかと言うと…

 

・フロント周りの歪みを修正してバイクが真っすぐ走るようにする。

・フロントフォークの整備や調整

・その他フロント周りの異常の確認

 

…といった場合に行います。

 直進時に両手を離すとバイクが左右のどちらかに勝手に傾く、フロントフォークのオイル交換や突き出し量の変更をしたい、といった場合はこの作業を行いましょう。

 

 

【必要な工具】

 

・10mmソケット

・12mmソケット

・14mmディープソケット

・17mmメガネレンチ(モンキーレンチでも可)

・5mm六角棒レンチ

・6mm六角ビットソケット

・8mm六角ビットソケット

・スピンナーハンドル(ラチェットハンドルでも可)

・22mmソケット

・トルクレンチ(20~60N・mまで設定可能なもの)

・ノギス

・万能グリス

・メンテナンススタンド(フロント&リア)

 ※工具の種類は一例です。

 

 

分解の手順

 

1、ボルトを緩める

フロント周りの分解はメンテナンススタンドで車体を浮かせる必要がありますが、車体を浮かせると大トルクで締まっているボルトが緩めにくくなるので先に緩めておきます。

※緩めるだけで外す必要はありません。

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左)フロントアクスルホルダの割締めボルト(12mm)を緩めます。

右)キャリパーマウントボルト(14mm)とアクスルナットを緩めます。

アクスルナット(22mm)は供回りしやすいので反対側を17mmメガネレンチ等で押さえておきましょう。

フェンダーに付いているブレーキラインを固定している袋ナット(10mm)を外します。

 

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↑ トップブリッジとボトムブリッジの割締めボルトを六角ビットソケットとハンドルを使って緩めます。

この部分を緩め過ぎるとフォークが滑り落ちてしまうので、少しだけ緩めるようにしてください。

 

 

2、メンテナンススタンドをかける

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↑ リアスタンドをかけてからフロントスタンドをかけます。

 

3、ブレーキキャリパーとホイールを外す

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 ↑ キャリパマウントボルトを外したらブレーキキャリパーを取り外します。

外したキャリパーをぶらぶらさせておくとホースが引っ張られてよくないので、結束バンドか何かでスタンドに縛っておきましょう。

 

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↑ アクスルナットを外したら少しタイヤを持ち上げるようにしてアクスルシャフトを手で押し込みます。

手で押し込んでもアクスルシャフトが抜けないなら腐食している可能性があります。

その場合はゴムハンマーで軽く叩いて押し出してください。

アクスルシャフトが抜けたらホイールが外れます。

 

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↑ 5mmの六角棒レンチでフロントフェンダーを止めているボルトを外すと、フェンダーが取り外せます。

ここまで来たら後はトップブリッジとボトムブリッジのボルトを更に緩めてフォークを下から抜き取るだけです。

ボルトが緩むとフォークがストンと滑り落ちて傷がついてしまうので、片手でフォークを保持しながらボルトを緩めましょう。フォークの下に厚手のマット等を敷いておくのも良いと思います。

 

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↑ フォークを外した車体と外されたフォークです。

 

装着の手順

フロント周りの装着です。

分解と逆の手順で組んでいけばよいだけですが、行うべき事が三つあります。

 

・フロントフォークの突き出し量をしっかり合わせる。

・アクスルシャフトにグリスを塗布する。

・各ボルトはトルクレンチを使って締め付けトルクを管理する。

 

 

1、フロントフォークの突き出し量をしっかり合わせる。

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↑ 左右のフォークの突き出し量は、私の場合は画像のようにフォークの銀色の部分の長さで管理しています。

フォークの突き出し量は操縦安定性に大きな影響を与えるので、ミリ単位でしっかり合わせましょう。

2018年式CB250Rの場合は左右とも2mmの突き出しが初期値となっています。

もし突き出し量を増やしたいなら、この部分を5mmや7mmにして合わせてください。

 

 

2、アクスルシャフトにグリスを塗布する。

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↑ アクスルシャフトには防錆のため万能グリス(リチウム系やウレア系)を塗布します。新車時はグリスが塗布されていないのでなるべく早めに塗布しておきましょう。

※ネジの部分にグリスが付くと組付けトルクが狂うので気を付けてください。

 

 

3、各ボルトはトルクレンチを使って指定トルクで締め付ける

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トップブリッジ割り締めボルト 22N・m

ボトムブリッジ割り締めボルト 32N・m

 

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フロントブレーキキャリパマウントボルト 45N・m

※サービスマニュアルによるとキャリパマウントボルトは新品に交換の上、ネジロック剤(中強度)を塗布して締めます。

ネジロック剤は必ず中強度を使用してください。

 

フロントアクスルナット 59N・m 供回り防止のため反対側に17mmメガネレンチ(モンキーレンチでも可)を噛ませて押さえておいてください。

 

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フロントアクスルホルダ割り締めボルト 24N・m

 

フロントフェンダーの固定ボルトは適当な加減でキュッと締めれば大丈夫です。

トルクレンチは使い方を誤ると意味がないので、わからない方は「トルクレンチの使い方」とかで検索してください。


 

 

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