今回はバイクを転倒させてしまった時の正しい引き起こし方について書いていきます。
引き起こしを間違った方法で行うと、バイクを起こしにくいだけでなく腰を痛める原因にもなるので、正しい方法を身に付けましょう。
【目次】
【間違った引き起こし方】
↑ これは間違った起こし方です。
腕や上半身の力で起こそうとすると、重いだけでなく腰を痛める原因になってしまいます。
軽いバイクならまだ大丈夫でも重いバイクをこの方法で起こそうとするのはやめておきましょう。
【正しい引き起こし方】
↑ 右側から起こす場合はサイドスタンドを出しておきます、エンジンは必ず切っておきましょう。
引き起こし中にバイクが動かないようにギアをニュートラル以外にしておくか、フロントブレーキを握りながら引き起こしましょう。
左側に倒してギアがニュートラルになってしまった場合は、ゴムバンドか何かをブレーキレバーにかけておくと良いでしょう。
引き起こしの手順は、右手でハンドル、左手でバイクの後ろを持ち、しっかりヒザを曲げます。
上半身はなるべく固定させたまま、脚力でバイクを起こします。
コツは上の画像のように斜め上に向かってバイクを起こすようにします。
【重いバイクの引き起こし方】
バイクが重くて上の方法でも起こせない場合は次の方法を試してみましょう。
↑ 片膝をバイクの下にもぐりこませます。
↑ ヒザを開く力でバイクを途中まで起こします。
↑ 最後に素早く左足を立て踏ん張ることでバイクを起こします。
このヒザをバイクの下にもぐりこませる方法の大きな利点の一つに、腰とバイクの距離を近く出来るので、より腰の負担を軽減できるということがあります。
引き起こす対象と腰の位置が遠くなるほど、腰にかかる負担は大きくなるので、なるべく腰とバイクを密着させた方がよいということです。
車種によって引き起こしやすい方法は違ってくるので、今回紹介した方法を基本に応用してみてください。
車種によっては最初に両膝をもぐりこませて、途中まで上半身で持ち上げた方が起こしやすいものもあります。
【引き起こしの理論】
↑ 倒れたバイクの引き起こしは画像のように第二のテコの原理になっています。
・前後のタイヤの接地点=支点
・バイクの重心位置=作用点
・ハンドル=力点
↑ 第二テコの原理の簡単な図解です。
・重心が高いバイクほど引き起こしが重くなります。
・ハンドル位置が低いバイクほど引き起こしが重くなります。
・転倒角度が深いバイクほど引き起こしが重くなります。
つまり、アップハンドル化やバンパーの装着は、体勢を楽にする、バイクを守るという本来の機能の他に転倒時の引き起こしを楽にする効果もあるわけです。
実際に軽量なはずのスーパースポーツより、アップハンドルでバンパーを装着したハーレーの方が引き起こしが軽かったりするんですよ。