ホンダ「CB250R」を10倍たのしむブログ

ホンダのCB250Rを中心に、バイクに乗る事触る事の楽しさをたくさんのライダー諸氏と共有するためのブログです。ライディング、カスタム、整備、検証など私が出来ること知っている事は何でも公開していくつもりです。

【バイク全般】リアサスのサグ出しを一人でする方法。

今回はリアサスのサグ出し計測器の自作についてのお話しです。

サグ出しというのはバイクにライダーが跨ったときにサスペンションが何mm縮んでいるのかを測定することを差します。

サグを適正に合わせることでサスの伸び縮みのストローク量を確保し、乗りやすいハンドリングを維持することができます。

また、セッティングを進めていく際の基準点にもなります。

 

本来リアサスのサグ出しは、専用の計測器を使用するか、またはバイクに跨るライダーとサグ計測係の二人で行います。

行きつけのバイク屋さんがある方はバイク屋さんに作業を頼んでみるといいでしょう。

 

自分で行うにあたり計測器は値段が高いし、わざわざ人に手伝ってもらうのも…という方のために今回は一人で比較的簡単かつ安価にサグ出しを行う方法を紹介します。

 

 

用意するもの

ワイヤーロープ (径0.8mm×長さ90cm)・・・340円

粘着式小型フック・・・100円

結束バンド(幅2.5mm×長さ8cm)・・・30円(10本)

おもり(150gくらいが良い)・・・250円

養生テープ・・・200円

ピンスパナ(車載工具)

定規(またはノギス)

※おもりは釣具店で購入、その他はホームセンターで購入できます。

 

f:id:initialT:20210722184111j:plain

↑ ワイヤーロープは径が 0.8mmで長さが 90cm以上のもの、予め端が輪になっているものを選ぶと良い。

 

f:id:initialT:20210722184204j:plain

↑ 粘着式小型フックは金属製で、ツメの部分が指で曲げられるものを選ぶ。

 

f:id:initialT:20200409200753p:plain

↑ サグを計測するための定規とプリロードを調整するピンスパナ(車載工具)。

 

 

サグ出しの方法

サグ出しは必ず地面が平坦な場所で行ってください、傾斜のある場所で行うと正しく測ることができません。

 

f:id:initialT:20201017203836j:plain

↑ ワイヤーロープの端を養生テープでシートにしっかり固定します。

リアアクスルより少し前の位置に固定するのがコツです。

 

f:id:initialT:20201017210003j:plain

↑ もう一方の端は結束バンドでおもりと繋ぎます。

 

f:id:initialT:20210722184636j:plainf:id:initialT:20200409202132j:plain

↑ リアアクスルシャフトの先端に粘着フックを画像の角度で貼り付けます。

アクスルシャフト先端に貼り付けるのが難しいなら近い位置でも構いません(数パーセントの誤差は出ます)。

 

f:id:initialT:20210722185049j:plainf:id:initialT:20210918195642j:plain

 ↑ フックにワイヤーロープを通したらフックの突起を押して潰します。

次に画像のようにワイヤーに結束バンドを二つ締め付けます。

結束バンドの締め付けで重要なのが、自由に動くけれども勝手に滑り落ちて下がらない程度に加減して締め付けることです。

 

※結束バンドはビニールひもでも代用できます、締め付けの加減はビニールひもの方がしやすいです。

 

f:id:initialT:20210722185239j:plain

↑ このようになったら完成です。

 

f:id:initialT:20210722185400j:plainf:id:initialT:20210223223919p:plain

↑ 二つの結束バンドをフックに密着させたら、この状態でバイクのリアを少し持ち上げます。 ※バンドの余計な部分はニッパーで切りました。

バイクのサイドスタンドを支点に左側からリアを引っ張り上げるようにすると割と簡単にリアが浮きます。

センタースタンドがあるバイクなら、センタースタンドを掛けるのが良いでしょう。

 

f:id:initialT:20210722185609j:plain

↑ 持ち上げたバイクを下ろした後にフックの下側の結束バンドが画像のように下がっていたら、この位置がリアサスの伸び切った位置になります。

結束バンドが下がっていなければ空車時にすでに伸び切っているという事でそのままで大丈夫です。

※プリロードを締めると空車時でも伸び切りやすくなります。

 

f:id:initialT:20210722185741j:plain

↑ 次にバイクに跨って、バイクを垂直に立てて一瞬でよいので両足を浮かせます。

バイクから降りて結束バンドの位置を確認すると画像のように上側のバンドが上がっているはずです。

このバンドの上がった距離がライダーの体重によってリアサスが縮んだ距離です。

 

f:id:initialT:20210722185859p:plain

 ↑ あとは「ライダーの体重で縮んだ量」と「バイクの自重で縮んだ量」を足し算すれば乗車時の総ストローク量(縮み量)が割り出せます。

※空車時から伸び切っていてバイクの自重で縮んだ量が0なら、ライダーの体重で縮んだ量を測るだけで大丈夫です。

 

ライダー乗車時のリアの適切な総ストローク量は、車種によって違いがありますがオンロードバイクで大体25mm~35mmです。

リアサスのプリロード調整を行って、ストローク量が適正な範囲(25mm~35mm)になるように合わせましょう。

体重が平均から大きく外れている方の場合は、プリロードを最強から最弱にしてもストローク量が適正な範囲にならないことがあります。

その場合はリアのバネをレートの違うものに交換することをおすすめします。

 

※本来はリアサスの全ストローク量の 1/3 ~ 1/4 程度に合わせた方が良いですが、自力で全ストローク量(ホイールトラベル)を調べようとすると、リアショックユニットからバネを外す必要があるので難しいです。

カワサキは公式サイトのスペック表でホイールトラベルが公開されています、ヤマハとスズキも逆輸入車ならばプレストとモトマップのサイトで公開されています。)

 

ストローク量の適正範囲は(25mm~35mm)となりますが、このストローク量は3mmも変わればバイクの運動性は明らかに変わります。

実際に走ってみながら微調整してみましょう。

 

一般的な250cc以上のロードスポーツモデル(ネイキッド、スーパースポーツ)であれば、全ストローク量(ホイールトラベル)は 110~150mm になっています。

フルサイズのオフロードバイクは公道用モデルで 210~270mm 競技用モデルで 300mm以上となっているようです。

 

バイク屋さんやお金がある人は専用計測器を買うのも手。

↓ デジタルサグスケール「slacker」22,000円(テクニクスから販売)

f:id:initialT:20200409220620j:plain

 

↓ DRC製「サグチェッカー」5,000円 ※こちらはバイクのスイングアームに負荷をかけずに浮かせられるスタンドがないと無意味です。

f:id:initialT:20200409221607j:plain

 

 

スポンサーリンク