乗っている方なら既にご存知かと思いますが、CB250Rのノーマルハンドルはネイキッドにしては幅広で位置も低めです。
バイク自体もネイキッドというよりはストリートファイターという性格で、ノーマルハンドルもスポーツな走りをする時は良いのですが、街乗りやツーリングとなるとちょっとポジションが気になってしまいます。
そこで今回ハリケーンから出ているCB250R用アップハンドルを装着しましたので、取り付け方法と交換後の結果について記事にしたいと思います。
↑ ハリケーン製 BMコンチ3型ハンドルkit (税込み 6,490円)
CB250RとCB125Rに装着可能です。
車種専用設計なので無加工でポン付けできます。ケーブル等の周辺パーツもノーマルのままで問題ありません。
ただし、ハンドルバーエンドは付属していませんので、内径18mmに合うものを別途購入する必要があります。
※ノーマルのバーエンドを流用することは出来ません。
【目次】
交換して走ってみた結果(インプレ)
さっそく結果報告です。
・運転姿勢が楽、疲れにくくなった。
1cmアップ 3cmバック と聞くとわずかな差に思いますが、実際に乗ってみると違いは結構大きいです。
ノーマルの微妙に前傾で腕が開いた運転姿勢が、だいぶ普通な姿勢に変わります。
腕の位置も自然な感じだし、上体もばっちり起きます。
ストリートファイターが普通のネイキッドになったような感覚で、こちらの方がゆったりツーリングや街乗りには向いていると思います。
・Uターンはしやすくなったが、ハンドルはやや重い。
ノーマルのハンドルはUターンをすると外側の腕が伸びるし、上体が前傾気味のまま捻られるので、ちょっとやりにくい印象がありました。
これが 1cmアップ 3cmバック の恩恵で、起きた上体のままで腕にも余裕ができるので、Uターンがしやすくなりました。
身長172cmの私でもそう感じるので、体格が小柄なライダーは特に恩恵を感じると思います。
ただし、ハンドル幅が少し狭くなった事とライダーの上体が起きたことで、ハンドルがやや重く感じられるようになります。
低速で曲がる時のステアの切れ込み感が重くなり、切れ込みを抑える場合はノーマルハンドルの時よりも強く押さえて操舵する必要があります。
これはタイヤやセッティングとの兼ね合いも影響しますが、いくらか違和感を感じることもあると思います。
・攻めた走りにはちょっと向かない。
気合をいれてスポーツな走りをする際は、このハンドルのアップライトな姿勢ではしっくりこない感じがします。(感じ方は人によるとは思いますが)
ノーマルハンドルの前傾姿勢と軽く操舵しやすいポジションの方が攻めていて気持ちがいいです。
ここを狙ってのノーマルハンドルということなのでしょう。
・振動対策はした方が良い。
ハリケーンのハンドルキットにはバーエンドウェイトもインナーウェイトも付いていないので、そのまま装着して走るとハンドルの振動が結構な強さで発生します。
この振動はエンジンの回転数に比例して激しくなるもので、操縦安定性には影響ありませんが、走っていると手のひらが痺れて疲れるしミラーがブレます。
危険はないので我慢して走っても構いませんが、快適な走行を求めるならバーエンドウェイトやインナーウェイトを追加装着することをおすすめします。
・重量配分の変化による影響は不明
ハンドルをアップハンドル化するとライダーの姿勢が起きるので、バイクの前後の重量配分も少し変化します。
これによって前輪の接地感が弱くなったりハンドリングに違和感を感じる場合がありますが、今回はそのようなネガティブな影響はありませんでした。
ただし、私のCB250Rはサスもタイヤもノーマルではないので、ノーマルの車体の場合にどうなるのかはわかりません。
交換の方法
【必要な工具】
・プラスドライバー(2番)
・メガネレンチ(8mm)
・六角棒レンチ(6mm)
・マイナスドライバー(細いもの)
・ボルト(M4×1.5cm)
・14mmオープンレンチ(ミラーを外す場合)
【交換手順】
↑ まずノーマルハンドルを外す作業ですが、その際に外すべきパーツは上の画像の通りです。※ミラーは既に外しました。
↑ 最初に左右のスイッチボックスとホルダーを取り外します。
それぞれボルトとネジでとめられているだけなので工具があれば簡単に外せます。
↑ 次に右側のスロットルグリップをずらすとバーに穴が開いているのが見えます。
これは中のインナーウェイトを止めている穴で裏側にもあります。
↑ バーの穴に小さなボルト(M4×1.5cm)を立てて、ウォーターポンププライヤーで挟んで押し込むと、中のインナーウェイトのツメが潰れます。
↑ インナーウェイトのツメを潰してバーエンドを引っ張るとインナーウェイトごと引き抜くことができます。
※インナーウェイトを再使用する場合は、ツメの金具を交換する必要があります。
↑ ハンドルホルダーを外します。
四か所のボルトには蓋がしてあるので、細いマイナスドライバーでこじって外します。
中のボルトは6mmの六角棒レンチで外してください。
↑ ノーマルハンドルが外れました。
ブレーキマスターシリンダーは傾くとエアを噛む事があるので、右ウィンカーあたりに養生テープで固定しておくと良いです、この画像はよろしくない例ですね…(汗
↑ ハリケーン製アップハンドル装着です。
装着手順は外す手順の逆を行えばよいだけですが、いくつか注意点があります。
↑ ホルダーは印の点が上になるように取り付けます。
ボルトの締め付けトルクは27N・mですが、一個ずつ締めるとホルダーが歪むので、最初に上下2本のボルトを軽く仮締めして、交互に強く締め込んでください。
↑ 左右のスイッチボックスの内側には矢印の突起があります。
この突起がハンドルバー側に空いている穴にはまるようにしてハンドルボックスの位置を固定します。
↑ ハンドルバーエンドは、アクティブ製のアルミバーエンド(¥1,800)を装着しましたが、この製品はウェイトの役割がないので走り出すと振動が発生してしまいました。
ハンドルの左グリップは純正パーツ(¥500)を注文しました。
接着剤を使わなくても、差し込むだけで全く空転しないので作業が楽でした。
振動対策
【解説】
既にインプレで書きましたが、ハリケーンのハンドルキットにはバーエンドウェイトもインナーウェイトも付いていないので、そのまま装着して走るとハンドルの振動が結構な強さで発生します。
ハンドルの振動対策としては、インナーウェイト→バーエンドウェイト→グリップ交換、の順に効果があるので、今回はインナーウェイトとバーエンドウェイトを追加で装着します。
↑ 今回、振動対策として装着したパーツは二つ。
・アクティブ製のインナーウェイト(内径17~20用、片側152g)¥2,200
・デイトナ製「ヘビーウェイトバーエンド」(内径14~19用、片側117g)¥2,100
インナーウェイトの効果は、共振ポイントの変更と振幅の抑制です。
今回は共振は起きていないので、目的は振幅の抑制になります。
装着して走ってみた結果、相当に効果がありハンドルの振動と手の痺れがかなり緩和されました!
インナーウェイトだけでもいいかな、と思いますが、周波数の高い振動が少し残っているので、バーエンドウェイトも追加で装着することにしました。
バーエンドウェイトの効果は周波数の変更です。
ストレスを感じやすい細かくて早い振動を、大きくてゆっくりした振動に変える事ができます。
インナーウェイトに比べると効果は低めですが、どちらにしろバーエンドは必要なので追加しました。
バーエンドウェイトはハリケーンから複数の種類(重さ)が出ているので、気になる方はハリケーンのWEBサイトを見てみてください。
因みに、今回ウェイトの重量が片側270g増となりますが、ハンドリングへの影響はほとんどありませんでした。
【必要な工具】
・メガネレンチ(8mm)
・六角棒レンチ(4mm)
・六角棒レンチ(5mm)
【装着手順】
↑ インナーウェイトの締め込みネジは最初ゆるゆるなので、予めある程度締め込んでおきます。
六角棒レンチ(4mm)とメガネレンチ(8mm)を使って締め込んでください。
↑ ハンドルにインナーウェイトを挿入します。
インナーウェイトを奥まで挿入したら、六角棒レンチ(4mm)を差し込んでインナーウェイトのボルトを回して締め込みます。
なんか卑猥なことを書いている気がするのは気のせいでしょうか?(笑)
↑ インナーウェイトを引き抜く時は、長いM10×1.25ピッチのボルトを差し込んで抜きます。
しかし、M10×1.25ピッチのボルトって、なかなか売ってないんですよね…
↑ 最後にヘビーウェイトバーエンドを六角棒レンチ(5mm)で装着して作業完了です。
ちなみに社外のバーエンドには、ノーマルと同じくプラスドライバーで締めるタイプのものもありますが、六角棒レンチで締めるタイプの方が締め/緩めがしっかり出来るのでおすすめです。
以上、インナーウェイトとバーエンドウェイト装着で振動の問題は解決しました!
解決といってもノーマルと同じレベルに落ち着いたという意味で、振動が無くなったわけではありませんので、その辺は誤解のないようにお願いします。