ホンダ「CB250R」を10倍たのしむブログ

ホンダのCB250Rを中心に、バイクに乗る事触る事の楽しさをたくさんのライダー諸氏と共有するためのブログです。ライディング、カスタム、整備、検証など私が出来ること知っている事は何でも公開していくつもりです。

「CB250R」冷却液(クーラント)の交換

今回の整備はラジエターの冷却液(クーラント)の交換です。

冷却液の役割は水冷エンジンの冷却ですが、エンジンを冷やすだけなら普通の水の方が有利です。

しかし、水を長期間入れっぱなしにしているとラジエター内が錆びる、冬に凍結する、などの故障の原因になるので専用の冷却液(クーラント液)を使用します。

 

また、冷却液は使用を続けていると劣化します。

劣化しても不凍性能は変わりませんが、防錆と冷却の性能は低下するので2年に1回の目安で交換が必要です。

 

 

・用意するもの

・8mmレンチ

・5mm六角棒レンチ

・オイル受け(洗面器等でも可)

・ロングライフクーラント

・精製水(水道水でも可)

・計量カップ

・ろうと

・プライヤー(ラジオペンチ)

・ドレンボルト用ワッシャー(部品番号90463-ML7-000)125円

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クーラント原液は、ホンダから「Honda純正ラジエーター液(原液)」という製品が販売されていますが、今回はヤマハ製のロングライフクーラント(原液)を使います。

どちらも主成分はエチレングリコール(約90%)で特性はほぼ同じです。

  

 

・冷却液の交換方法

1、タンクカバーを外す。

タンクカバーを外さなくても作業は可能ですが外した方がやりやすいです。

今回は撮影も兼ねていたので外しました。

タンクカバーの外し方は下のリンク先の記事を参考にしてください。

initialt.hatenablog.com

 

↑ タンクカバーとシュラウドを外すとラジエターキャップ(給水口)とリザーブタンクのキャップが確認しやすくなります。

銀色の方がラジエターキャップで、黒色の方がリザーブタンクのキャップです。

 

2、古い冷却液を抜く

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↑ 〇で囲っているボルトが冷却液の排水ドレンボルトです。

8mmレンチで取り外します。

ボルトの座面には銅ワッシャーが使用されているので、新品を用意しておきましょう。

 

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↑ ドレンボルトを外し、ラジエターキャップを緩めると勢いよく冷却液が飛び出してきます。出てきた量は700ccくらいでした。

 

 

古い冷却液を排出したら一度ドレンボルトを軽く締め、給水口から水道水を一杯まで入れます。

水道水を入れたら2分間ほどエンジンをアイドリングさせ冷却経路を洗浄します。

エンジンを止めたら再度ドレンボルトを外し、水道水を排水してください。

 

注意:正常な冷却液はきれいな色をしていますが、赤茶色に変色している場合はラジエター内が錆びているので、ラジエター内の錆び取りと洗浄が必要になります。

 

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↑ 給水口横のホースの留め具を外してリザーブタンク内の冷却液も排水します。

 

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↑ 冷却液は有害物質なので下水や野外に流してはいけません。

排出した冷却液はペットボトルにでも移して地域の法令に従って処理してください。
 

 

3、冷却液の補充

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↑ ロングライフクーラント(原液)と精製水を50:50で混ぜて冷却液を作ります。1リットルくらい作れば足りると思います。

※最初から水で希釈されている製品を使えば混合は必要ありません。

 

補足:原液と精製水の割合で冷却性能と防錆/不凍性能のバランスが変化します。

原液が濃いほど冷却性能は低下しますが、防錆/不凍性能は向上します。

 

 

また、精製水ではなく普通の水道水を使っても構いませんが、水道水には不要な塩素や不純物が含まれているので、なるべく精製水を使用した方が良いと思います。

ミネラルウォーターや井戸水は不純物が多いので避けましょう。

 

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↑ ラジエターキャップを外し給水口から新しい冷却液を一杯まで入れます。

エア抜きのためエンジンを数分間アイドリングさせ、スロットルを数回煽ります。

エアが抜けて冷却液が減ったら、再度一杯まで補充してラジエターキャップを締めます。

※ラジエター内にエア(空気)が混入したままだと、水路に空気が詰まってしまい冷却性能が低下してしまいます。



4、リザーブタンクへの補充

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 ↑ リザーブタンクのキャップを外したところです。

キャップにゲージがついているので黄色の矢印の目印のところまで冷却液を補充します。

最後にキャップを締めて作業は完了となります。

 

※冷却液交換後に走行した後は、エンジンが冷えるのを待ちリザーブタンクのキャップを外してゲージの液量を再確認してください。

走行により残っていた空気が抜けると液量が減ります。液量が減っている場合は再度規定値になるまで補充します。

何度走っても冷却液の減りが止まらない場合は液漏れの可能性を疑う必要があります。 

 

 

・補足

ロングライフクーラントは漏れて路面に流れると車両が滑る原因になります。

そのためサーキットではロングライフクーラントの使用を禁止している場合が多くあります。

サーキット走行を行う場合は精製水のみを補充し、走行が終わったら再度ロングライフクーラントに交換しましょう。

あまり滑らないレース用クーラント(ワコーズ ヒートブロックなど)もあるので、サーキットが許可していればそういった製品を使用する方法もあります。

ただしレース用クーラントに不凍性能はありませんので、冬季はロングライフクーラントに交換するようにしてください。

 

 

 

 

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