ホンダ「CB250R」を10倍たのしむブログ

ホンダのCB250Rを中心に、バイクに乗る事触る事の楽しさをたくさんのライダー諸氏と共有するためのブログです。ライディング、カスタム、整備、検証など私が出来ること知っている事は何でも公開していくつもりです。

【整備と工具】タイヤの空気圧管理とエアゲージの値段の差(後編)

前回の記事に続き、今回はエアゲージ(空気圧測定器)について書いていきます。

 

バイクの整備において空気圧の測定が必要なのはタイヤだけですが、タイヤの空気圧は走行する上での安全や快適性に直接大きな影響を与えるので軽視してはいけません。

 

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上の画像はブリヂストンの「レーシングエアゲージ」という製品です。

もっとも一般的なタイヤ用エアゲージの形で、右の矢印の金具部分をホイールのエアバルブに接続すると目盛りの針が動きます。

左の黄色い〇部分のボタンを押すと空気が抜けるので、空気圧が不足している場合はエアーポンプで多めに空気を入れて、再度エアゲージで計測しながら空気を抜いて目的の空気圧に合わせます。

 

 

【エアゲージの値段と性能の差】

機能としてはそれほど複雑なものではありませんが、どんな製品があるのか調べてみると製品によって結構な値段の差があることに気が付くと思います。

今回は私が個人的に所有しているエアゲージについて製品別のインプレをしてみたいと思います。

 

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左・・・・エーモン工業製 最大測定値500kPa 1,869円

中央・・・デイトナ製   最大測定値400kPa 5,000円くらいだったかな…

右・・・・エーモン工業製 最大測定値350kPa 530円 ペンシル型

 

まず、右のペンシル型のエアゲージですが、これは携行性を最優先して作られたタイプで持ち運びには便利ですが、使い勝手はかなり悪いです。

というのも、ペンシル型のエアゲージはエアバルブに接続すると目盛りが付いたバーが後ろから飛び出す仕組みとなっていますが、空気を抜くボタンはついていません。

しかも一度飛び出した目盛りバーは手で押して戻さない限り引っ込まないので、一発計測することは出来ても調整は非常にやりづらいわけです。

 

 

次に左のエーモン工業と中央のデイトナの製品を比較してみます。

こちらはどちらも同じタイプのエアゲージで大きさも機能も大体同じです。

値段だけが大きく違いますね。

では実際に使い比べて何が違うのかといえば「エアバルブ接続時のフィット性」と「ホースのしなやかさ」が違います、つまり空気圧測定における作業性ですね。

 

フィット性についてはエアゲージの接続部をホイールのエアバルブに押し当てた時にデイトナの方が正確にフィットしやすいです。

対してエーモン工業はフィットに失敗したり手こずったりする場合が多いので、その間にタイヤの空気がプシュッ、プシューッと抜けていってしまいます。

フィットに手こずると作業が気持ちよくない上に、空気が多く抜けるので空気を入れ直す手間も増えてしまいます。

ホースのしなやかさはフィット性に比べれば大きな問題ではありませんが、ホースが硬いと結果的にバルブと接続部を合わせにくくなるので作業性が悪くなります。

 

ちなみに最大測定値については、バイクのタイヤの場合は350kPaまで測定できれば十分なので気にする必要はありません。エーモンの500kPaは単なる目盛りのムダです。

 

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↑エアゲージの接続部をタイヤのエアバルブに挿しフィットさせているところ。

フィット性が悪いとなかなかしっくりフィットしてくれず、その間に空気が隙間から抜けていってしまう。

イライラするし抜けた空気を入れ直すのも面倒…

 

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↑ペンシル型はこのように目盛りバーが飛び出る。

この目盛りバーは手で戻さないと引っ込まないし、空気抜きのボタンもない。

このタイプを調整に使う場合は「タイヤに空気を入れる→エアゲージを挿す→空気圧が高ければわざとフィットをずらし空気を漏らす→エアゲージを抜いてバーを引っ込め再度バルブに挿す」を繰り返さなくてはいけません。

しかもフィット性も良くないので失敗しやすいです…

はっきり言うと「使えない事も無い」程度の製品だと思います。

 

 

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ブリヂストン製「RCG-10」 最大測定値400kPa 13,200円

 

タイヤメーカーのブリヂストンとタイヤ空気圧検査機器メーカーの旭産業が共同で製作したエアゲージです。

値段も最高ですが、性能も最高です。

特にフィット性は極めて良く、適当に差し込んでもほぼ即フィットしてくれるし、そのおかげで空気の漏れも最小限で済みます。

ホースもしなやかなのでバルブに届きさえすれば簡単にフィットさせられます。

とにかく使っていて感動的に気持ちが良いのがこのエアゲージの価値だと思います。

 

きちんと保管していれば一般ユーザーが時々使うくらいでそうそう狂わないと思いますが、メーカーに送れば校正も可能です。

 

 

【最後に】

製品の測定誤差については、エーモン工業の530円のゲージもブリヂストンの13,200円のゲージも表記上は±10kPaで同じです。

ブリヂストンのゲージは箱には±10kPaと表記されていましたが、チラシには±6kPa以内と書かれていました。

 

また、品質のバラつきや耐久性については一般ユーザーである私では確認できないので確認していません。

ただ普通に考えれば高価なブリヂストン製エアゲージが優れているものと思われます。

 

フィット性については、エアゲージの接続部のゴムが経年劣化すると悪くなるようなので、なるべく保管状態には気を付けましょう。

 

 

個人的な結論としては、安物のエアゲージでも使えない事はないと思います。

一ヵ月に一回の定期点検だけなら、作業性が悪くてもその時だけ我慢して使うのもいいと思います。

しかし、スポーツ走行を趣味とするなら空気圧計測は繰り返し行う事になるはずなので、ある程度以上(5000円以上)のエアゲージを用意する事をおすすめします。

エアゲージが使いにくい→空気圧計測が面倒くさい→空気圧管理がいい加減になる、というのは良くないですからね…

 

ツーリングにおいてもパンクに備えて、エアゲージ、携行型エアポンプ、パンク修理キットはなるべく持って行った方が良いと思います。

 

 

今回の記事がライダー諸兄諸姉の健やかなるタイヤ空気圧管理ライフの一助となることを願ってやみません。

おわり。

 

 ↓ 前編です。

initialt.hatenablog.com

 

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