ホンダ「CB250R」を10倍たのしむブログ

ホンダのCB250Rを中心に、バイクに乗る事触る事の楽しさをたくさんのライダー諸氏と共有するためのブログです。ライディング、カスタム、整備、検証など私が出来ること知っている事は何でも公開していくつもりです。

【整備と工具】タイヤの空気圧管理とエアゲージの値段の差(前編)

今回はタイヤとエアゲージ(空気圧計測器)のお話です。

みなさんもご存じの通りバイクのタイヤには空気が充填されています。

 

そして、その空気も取り合えず入っていれば良いわけではなくて、決められた量がちゃんと入っていなければいけないわけです。

じゃあ、どうやって空気の量なんて測るのかというと「圧力」の高さで測ります。

その空気の「圧力」を計測する道具がエアゲージなんですね。

バイクは車種ごとに空気圧の値が指定されており、乗る時には常に合わせておく必要があります。

※この車種ごとに決められている空気圧を「指定空気圧」といいます。

 

しかし、タイヤの空気は日にちが経つと自然に抜けていってしまうので、定期的に測定して再充填しなくてはならないわけです。

空気圧が低いとタイヤが性能を発揮してくれず、走り難くなるばかりではなく破損の危険まで伴います。

ライダーならばエアゲージくらいは自分の物を用意して、愛車の空気圧をしっかり点検できるようになりましょう!

 

【なんで空気圧は決まっているの?】

第一の理由としてタイヤは空気の量によって「荷重に対する耐久性の限界」が変わります。

バイクは原付なら100kg前後、大型ツアラーになると300kgに達するものもあります。

それに加えてライダーや荷物が加わればさらに重量は増してしまいますね。

バイクの二本のタイヤは、その全ての重量に耐えながら道路を走り続けなければならないわけです。

もし、空気圧が低い(荷重に対する耐久性が不足している)状態で走り続けると、タイヤ内部が異常発熱を起こし破損(バースト、セパレーション)してしまいます。

非常に危険ですね…

つまり、同じ空気圧不足でもライダーの体重が重いほど、また荷物の重量が大きいほど、そして走行速度が高いほどタイヤ破損のリスクは大きくなります。

 

また、破損までいかなくても異常発熱はタイヤの劣化や摩耗を促進させる原因となるので十分気を付けてください。

※空気圧を高くすれば耐久性はあがりますが、タイヤには限界空気圧(MAX ROAD)があるのでそれを超えないようにしてください。

限界空気圧(MAX ROAD)はタイヤのサイドウォールに表記されています。

 

それともう一つ、タイヤの空気圧が低いと「ハイドロプレーニング現象」も発生しやすくなるので雨の日が危険ですね。

 

第二の理由はタイヤの空気圧が低すぎると、操縦安定性やフィーリング(軽快感や接地感など)が悪化してしまうからです。

タイヤは空気圧が低くなると剛性(反発力)が弱くなり、走行中のタイヤの変形が大きくなることで曲がりにくくなったりフィーリングが悪くなったりします。

そうなってしまうとバイクに乗る楽しさが半減してしまうし、走り難くなることで危険も大きくなります。

特に大型スポーツバイクでは前輪の空気圧不足が操縦安定性に与える悪影響が大きいので十分気をつけてください。

 

ただし、操縦安定性やフィーリングに関しては必ずしも指定された空気圧が最良とは限りません。

しかし、第一の理由で述べた通りもっとも重要な性能は荷重に対する耐久性であるためむやみに空気圧を下げることはしない方が良いでしょう。

 

【空気が自然に抜けていく理由】

まずタイヤのゴム(コンパウンドともいう)は分子の隙間が空気より大きいので、そこから空気がすこーしずつ抜けていきます。

さらにタイヤのエアバルブやビード(タイヤの端っこ)といった部分にも空気を通すくらいの隙間があるので、そこからも少しずつ抜けていってしまうのです。

 

タイヤの空気圧を定期的(通常一ヵ月に一回)に点検していて、空気圧が下がるペースが早くなったらエアバルブの劣化を疑いましょう。

エアバルブはタイヤ交換の際に新しいものと交換することが出来ます。

その他、気づかないうちに異物を踏んでいて小さな穴が開いている可能性もあるし、新品タイヤを履いた直後から空気圧が下がる場合はビードに原因がある場合があります。

こういった異変に早く気付くためにも定期的な空気圧点検は重要なわけです。

 

【自分のバイクの指定空気圧の確認方法】

指定空気圧はバイクの取扱説明書に記載されています。

例えば私のCB250Rの空気圧は「前輪200kPa(2.00kgf/㎠) 後輪225kPa(2.25kgf/㎠) 」となっています。

なんかややこしいですが、見るところは前輪200kPa 後輪225kPaだけで十分です。

kPaはキロパスカルと読み、気体や液体の圧力に対して使われる単位です。

現在のエアゲージはほとんどがkPa表示なのでkPaの数字だけ確認すれば大丈夫です。

バイクによっては一人乗りと二人乗りで指定空気圧が異なる場合もあるので、二人乗りをするときは再度確認してみてください。

 

※二つの単位については正確には少し違いますが「100kPa=1kgf/㎠」と換算して問題ありません。

 

手元に取扱説明書がない場合はバイクのスイングアームのラベルを見れば確認できます。

下の画像の黄色い矢印の部分に指定空気圧の表示があります。

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【タイヤの空気はどうやって入れるの?】

「空気入れ」とか「エアーポンプ」と呼ばれる道具で入れます。

ちなみに対応するエアバルブの形状に「米式、英式、仏式」がありますが、バイクのエアバルブは全て「米式」です。

 

バイク屋さんで入れてもらう。

バイク屋さんには必ずエアゲージとエアーポンプが常備されているので、行きつけのバイク屋さんに行って頼めば無料で点検&充填を行ってくれます。

ちなみにバイク屋さんのエアーポンプはエアコンプレッサーという大型の機械を使用するもので、あっという間に空気が充填されます。

 

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↑ エアコンプレッサー 個人でも購入可能。持っていると空気入れ以外にも様々なエアツールが使えるので便利。

 

 

・ガソリンスタンドで入れる。

大抵のガソリンスタンドにはエアーポンプが常備されています。

デジタル式、機械式、持ち運び小型タンク式、といくつか種類があります。

 

 

デジタル式・・・予め空気圧を設定して、設定値まで充填されるとブザーが鳴る。

 

機械式・・・・・予め空気圧を設定して、バルブに差し込み充填が始まると「カンカンカン」と音がなり、設定値に達すると音が鳴り止む。

 

小型タンク式・・丸い小型の空気タンクをタイヤのそばまで持っていって充填する。

空気圧の設定はできないので、タンクに付属されているゲージを確認しながら充填する。

 

※使い方がわからなかったらガソリンスタンドの従業員さんに聞いてください。

ちなみにガソリンスタンドのエアゲージの精度はあまり信用できないので、自分のエアゲージを使用した方が良いです。

 

また、ガソリンスタンドのエアーポンプは基本的に四輪車用なので、バイクの場合はブレーキディスクやスプロケットが邪魔になってバルブに接続できない事がよくあります。

その場合は、エアバルブをL字型のものに交換しておくか、エアーバルブジョイントを購入しておく必要があります。

f:id:initialT:20200126072313j:plainアクティブ ゲイルスピード 74°エアバルブ

f:id:initialT:20200126071208j:plainデイトナ エアーバルブジョイント

 

 

・自分でエアーポンプを購入する。

バイク用品店に行けばバイク用のエアーポンプが売っています。

希望の商品が決まっていれば、ネットでも買えるしバイク屋さんでも取り寄せてくれるでしょう。

手押し式、携帯式、足ふみ式、電動式、エアーコンプレッサー、等いくつか種類がありますが、値段と使いやすさのバランスが良いのは手押し式だと思います。

 

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↑手押し式「DRC F501フロアポンプ」¥2,808

 

よく見る自転車の空気入れと同じタイプのものですね。

高さが60cmあるのでツーリングに持っていくのは無理ですが、家で使うならこれで十分です。

最大空気圧が1100kPaなので、どんな大型バイクのタイヤでも余裕です。

手押しなのでちょっと疲れるとは思いますが、これより楽なのは値の張る電動式かエアーコンプレッサーしかありません。

DRCは主にオフロードバイク用のアイテムを製造販売しているブランドですが、他メーカーのものなら2000円以下でもあると思います。

 

【空気圧は必ず冷間で測定する】

 一部のレース用タイヤを除いて、バイクのタイヤは基本的に冷間時に測定/充填します。

冷間時とはタイヤが冷えている状態=走り出す前の気温と同じ温度、の事です。

タイヤは走行すると必ず内部摩擦の発生で温まるので、走った後に測定すると温間になってしまい指定空気圧から外れてしまいます。

なので、ガソリンスタンドで空気を入れる場合はなるべく走り出してすぐ近所のスタンドで行うべきです。

同様の理由で直射日光で温まった状態で点検/充填するのも良くありません。

 

↓ 後編に続く。 

initialt.hatenablog.com

 

 

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