ホンダ「CB250R」を10倍たのしむブログ

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よくわかる!バイクのクラッチレバーの遊び調整の方法と効果

バイクのクラッチレバーの遊び調整の方法と、調整の理由と効果について解説します。

 

バイクのクラッチ機構には大別してワイヤー式油圧式があります。

クラッチの遊び調整が可能なのはワイヤー式のみで、油圧式は調整不可能(する必要がない)となっています。

油圧式クラッチは遊びの調整はできませんが、調整ダイヤル付きレバーを装着することで、レバーの位置の変更は可能になります。

 

【目次】

 

クラッチの遊びの意味とは?

(1)クラッチ操作を確実に行い、バイクを壊さないため。

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↑ クラッチの遊びとは「レバーを引いた時にクラッチが切れ始める位置」から先の方にある、レバーが抵抗なくカタカタと動く部分のことです。

このカタカタ動く遊び部分=クラッチが完全につながっている位置、となります。

調整ダイヤルを回して遊びの量を変えると、それに合わせて半クラの位置が前後に移動します

この半クラの位置は必ずレバーの可動域内にある必要があるので、そのために遊びを適正値に調整するわけです。

 

もし、調整ダイヤルを締め過ぎて遊びが0mm以下になってしまうと、レバーを離しても常に半クラッチの状態になってしまい、アクセルを開けてエンジンを回転させてもクラッチが滑ってしっかり加速しない状態になります。そのまま走り続けるとクラッチが焼けて破損します。

逆に調整ダイヤルを緩め過ぎて遊びを増やし過ぎると、レバーを引き切っても半クラッチ状態のままになってしまうので、クラッチレバーを引いて停止していてもバイクが勝手に前に進もうとします。そのままバイクを抑えているとクラッチが滑り続けて傷んでしまいます。

そのようなトラブルを避けるため、クラッチレバーの遊び量は適正値に合わせておく必要があります。

 

(2)半クラの位置を自分の操作しやすい位置に合わせるため。

クラッチレバーの遊びの量には、ある程度の許容範囲があります。

例えば、CB250Rの取扱説明書にはクラッチレバーの遊びは10~20mmとあります。

これを、半クラの位置が最も遠くなる10mmに合わせるのか、最も近くなる20mmに合わせるのかによって、運転操作の感覚に違いが出てきます。

手の大きさは人それぞれなので、手の小さな人は20mmにした方が良いという事でもありますが、他にも理由があります。

もし、自分の意図とずれたタイミングでクラッチが繋がったり切れたりすると、発進にもたついたり、シフトチェンジがスムーズに出来なくなってしまいます。

特にUターンを行う際に、半クラのタイミングがずれると失速して転倒する可能性が高くなります。

ベテランライダーほど、半クラの位置はココというタイミングが決まっていると思うので、クラッチの遊び調整には気を使うようにしましょう。

 

もし、クラッチの遊び調整だけでは自分に合う位置にならない場合は、調整ダイヤル付きレバーを装着することをおすすめします。

レバーのダイヤルを回すことで、クラッチの遊びを変えることなくレバーの位置を調整できるので便利です。

 

クラッチの遊び量の確認

バイクのクラッチの遊び量を実際に確認する方法です。

↑ クラッチレバーの先端に養生テープを適当に貼って、レバーを最も遠い位置にして定規が動かないように手で押し当てます。

 

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↑ レバーを軽く引いて遊びを取ると、レバーの遊びの量がわかります。

今回の例では遊び量は14mmなので、適正範囲内に収まっていますね。

ここで、遊び量が適正でない場合、または適正範囲内でも操作性に違和感がある場合は調整が必要となります。

 

クラッチの遊びの調整方法

クラッチの遊びの調整方法は微調整主調整があります。

 (1)微調整の方法

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↑ 遊び調整は最初に微調整側から行います。

クラッチレバーの根本のゴム製カバーをめくります。

 

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↑ カバーをめくるとロックナットアジャスターが出てきます。

ロックナットを緩めてアジャスターを手で回すことでクラッチの遊び量が変化します。

ロックナットが固くて緩まない場合は、画像のように切り欠き部分にマイナスドライバーを当ててモンキーレンチか何かで軽く叩くと緩みます。

プライヤー類を使っても構いません。

 

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↑ アジャスターを回すと、アジャスターの位置が動きます。

アジャスターとレバー側付け根の幅が広くなると、クラッチの遊びが少なくなります。

逆に幅が狭くなるとクラッチの遊びが多くなります。

実際にクラッチレバーを触りながら調整しましょう。

アジャスターの位置が決まったら、ロックナットを締めてください。

もし、微調整だけでは遊びが適正にならない場合は主調整を行います。

 

(2)主調整の方法

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↑ 主調整はエンジンのクラッチ側にあります。

クラッチレバーを引くと赤い矢印の部分が動くのでわかりやすいと思います。

CB250Rの場合は車体の右側になります。

 

↑ 例として、クラッチの遊びを多くする方法を説明します。

まず、画像のようにレバーに近い側のナットをオープンレンチで少し緩めます。

 

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↑ レバー側ナットを緩めたら、ケーブルをつまんで左側に押し込みます。

そうすると自然にエンジン側ナットに隙間ができますね。

 

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↑ エンジン側ナットを指で回して仮締めします。

ここでクラッチレバーを引いてみて、遊びが適正になっていればナットを本締めして調整完了です。

※遊びを少なくしたい場合は、これとは逆にエンジン側ナットを先に緩めてケーブルを右側に押し込む→レバー側ナットを締める手順となります。 

 

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↑ このように覚えましょう。

 

 

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