ホンダ「CB250R」を10倍たのしむブログ

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必読!失敗しないバイクカスタム【ミラー交換で注意すべきこと】

バイクのカスタムパーツの中でも比較的安価で、機能的にも見かけ的にも変化が楽しめるミラーはバイク初心者でも手が出しやすいカスタムの一つではないでしょうか?

カスタムパーツとしてのミラーは、タナックス、ハリケーンデイトナ、ハイサイダー、キジマ、リゾマ、といったパーツメーカーから多数出ています。

ミラー交換となるとついカッコいいデザインに目が行きがちだが、見た目だけで選ぶと思わぬ失敗をしてしまうかも?

今回はミラーのカスタムの基本や注意点について記事にしたので、これからミラーの交換を始める方は参考にしてほしいと思います。

 

 ↓ ホンダのバイクにバーエンドミラーを取り付けたい方はコチラ

initialt.hatenablog.com

 

【目次】

 

 

後方視界の範囲

ミラーの機能として重要なのが後方視界の範囲です。

ミラー部分の面積が大きいほど後方視界も広くなるわけですが、もう一つ重要な要素にミラーの曲率があります。

曲率とはミラー鏡面の丸みの程度のことで、曲率によって視界の広さと鏡に映る対象物の大きさが変わります。

バイクのミラーの曲率はR800~R1500あたりになっているが数字が小さいほど丸みが強いことを表わします。

曲率(R)の数字が小さい→鏡面の丸みが強く、視界は広いが対象物が小さく見える。

曲率(R)の数字が大きい→鏡面が平面に近く、視界は狭いが対象物が大きく見える。

また、曲率が全くない完全に平面のミラーも存在します。

以下に実際の写真を掲載して比較してみます。

 

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カワサキKLX125のノーマルミラーと曲率R800の社外ミラーの映り方の比較です。

どちらも約8m後方を映したときの写真です。

社外ミラーの方が曲率が高い(鏡面が丸い)ので、視界が広い代わりに対象物が小さく映ります(像の歪みも強めにでます)。

 

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↑ こちらはKLX125のノーマルミラーと曲率のない平面タイプの社外ミラーの映り方の比較です(曲率は不明ですがノーマルミラーにも少し丸みがあります。)

平面タイプのミラーは視界が狭く、対象物が歪まずに大きく映っていることがわかりますね。

因みに、写真ではわかりませんが平面タイプのミラーは右目と左目で映る像の差が大きく、しかも振動による視界のブレの影響が大きいので実際に使うと違和感が強くストレスを感じます。

 

後方視界を広くとりたいならばミラー面積の大きい製品を買うべきですが、誤って曲率が低過ぎる(または平面)ミラーを買ってしまうと、かえって視界が狭くなるという失敗をしてしまいます。

逆に言うと、ミラー面積が小さくても曲率が高ければ視界を維持することが出来ます。

ただし、曲率については表示義務がないらしくメーカーのサイトや商品パッケージを見ても記載されていない事が多いのが実状です。

失敗を避けたければ、予め曲率が明記されている製品を買った方が良いでしょう。

  

 

バイクに適合するマウント方法とネジの規格寸法を確認する

バイクとミラーの適合は、マウント方法ネジの規格寸法を確認する必要があります。

マウント方法とネジの種類が一致するミラーでないと取り付けることは出来ません。

また、ミラーには右用と左用がわかれているタイプ左右共用タイプがあるので、購入時に確認しましょう。

 

(1)ハンドルマウントの場合

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ミラーがハンドルにマウントされているので、停車中であればハンドルを切る事で視界の角度を変えることができる。

ハンドルに振動が発生するとブレやすいのが欠点。

取り付けが簡単で汎用品が多く販売されているのでカスタムしやすい。

 

ハンドルマウントは取り付け部のネジの規格と寸法さえ合えば取り付けることが出来ます。

ネジの寸法は、径、向き、ピッチの3項目があります。

 

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・ネジ径

ハンドルマウント型の取り付けネジには8mm10mmがある。

 

・ネジの向き

ネジは通常右回り(時計回り)に回すことで締めることができる正ネジが一般的だが、左回りで締める「逆ネジ」も存在する。

ヤマハドゥカティの右側ミラーの多くは「逆ネジ」になっている。

 

・ネジのピッチ

ほとんどのネジのピッチは1.25mmだが、BMWの多くは1.5mm、ハーレーはすべて5/16インチになっている。

BMWハーレー以外はすべて1.25mmです。

 

ネジの寸法はノーマルミラーを取り外してネジ部分を直接測ることでわかるが、タナックスのWEBサイトで車種別のネジの規格について記載があるのでこちらも参考にしよう。

https://www.tanax.co.jp/motorcycle/pdf/mirror_2.pdf

 ↑ 例えばホンダのCB250Rならば「10正」となっているので、正ネジの10mmとなります。

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↑ 製品のパッケージやメーカー公式サイトに情報が記載されています。

ネジの向きとピッチは特に記載がなければ、正ネジの1.25mmになっています。

どうしても装着したいミラーがあるが、ネジの寸法とバイクが合わない場合はネジ変換アダプターを活用すると良いだろう。

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↑ ハンドルマウントならばアダプターを挟むことで、ネジ径、ネジの向き、ネジのピッチを自由に変換できる。様々な種類があり、値段は800円くらい。

タナックスやハリケーンから出ています。

 

(2)カウルマウントの場合

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カウル付きバイクはフロントカウルにミラーがマウントされている。

ハンドルの振動の影響を受けないことと、ミラーが遠めの位置にあるので運転中にミラーに視線を送りやすいのが長所。

社外製品が少ないので、カスタムにはあまり向いていないかも。

 

カウルマウントのミラー交換で重要なのはウィンカーミラーか否かです。

ウィンカーミラーを付けて良いのは、純正ミラーがウィンカーミラーになっているバイクだけです。

これはメーカーが予め「ウィンカーミラー付バイク」として登録しているためで、普通のミラーのバイクに後付けでウィンカーミラーを装着しても保安基準的にはNGになります。

 

(3)バーエンドマウントの場合

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カフェレーサーカスタムの定番。

ハンドルの振動の影響を受けやすく、ミラーの位置が外側になるのでミラーに視線を送ると前方が視界から外れるのが欠点。

基本的に見かけのためのカスタムで機能的な意味はほとんどない。

タナックスハイサイダー、リゾマから出ている。

 

バーエンドミラーの取り付けは、純正バーエンドに取り付けるタイプと、純正バーエンドを外してハンドルバーに直接取り付けるタイプがあります。

後者のタイプの方が見かけ的に良いと思いますが、取り付け条件と手順がやや複雑になります。

詳しくはメーカー公式サイトの適合表や取扱説明書を読んでください。

 

 

保安基準に適合しないミラーは車検に通らない

ミラーは保安部品として、道路運送車両法で多くの保安基準が設けられています。

また、保安基準は平成19年(2007年)に内容の改正が行われたため、それ以前と以後で基準が異なっています。

保安基準を満たさないミラーを付けていると車検に通りません。

車検の時だけノーマルミラーに戻す方法もありますが、事故を起こした時に過失として追求されるリスクはあると思われます。

 

・バイクの年式によって保安基準が異なる。

新保安基準→平成19年1月1日以降に製造されたすべての車両、および平成17年1月1日以降に形式を認定されたすべての車両。

旧保安基準→平成18年12月31日以前に製造された車両で、平成17年1月1日以降に形式を認定されたすべての車両。

 

基準の具体的な内容は細かくて複雑なのでユーザーが自分で判断するのは現実的ではない。

製品のパッケージに保安基準についての表示があるので確認してから購入しましょう。

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↑ 自分のバイクの製造年が2007年(H19)以降なら「07年の新保安基準適合」のミラーしか装着できない。 

2006年(H18)以前のバイクならどちらでも可。

 

・50cc以下のバイクのミラーは右側だけでも可

50cc以下のバイクは法規上一番左の車線しか走れないことになっているため、ミラーも右側のみ装着されていれば良いとなっています。

50cc超のバイクは必ず左右両方のミラーが必要となります。

 

 

交換後に問題が起きた場合の対策

(1)後方視界が悪い

買って付けてみたはいいが、ミラーの位置が悪いとか映る視界の範囲が狭いとかで後ろが見づらい結果になることもあります。

もう一度ミラー根本の取り付け角度を変えてみる、アジャスター機能があれば調整してみると解決することがあります。

それでも解決しない場合は、別売りのアダプターを活用する方法があります。

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↑ タナックス製「オフセットホルダー45」(¥1,350)

ミラーの位置を変えることで視認性を改善することができます。

画像のようにミラーが遠くなるようにセットすると、視線を送りやすくなるだけでなく、ミラーに映る視界も広くなります。

質感も良く、意外と効果のあるアイテムなのでおすすめです。

タナックス製のオフセットホルダーは45mmのものと30mmのものがあります。

 

(2)サビの発生

ミラーを社外品に交換することでサビが発生してしまうこともあります。

サビは材質の問題で安物のミラーほどステー部分が錆びやすいと思って良いです。

対策としては雨に濡れたらしっかり拭く、塗装する、定期的に防錆剤を使う、等がありますが、安物を買わないというのが一番かもしれません。

 

(3)振動でミラーがブレる

振動については、ステー部分の剛性やミラー部分の重量が要因となります。

ただ、ミラーは梱包されて売られているし、バイクとの相性もあるので実際に装着してみないとわからないのが現実です。

言うまでもなくミラーのネジ類が緩んでいると振動が発生するので、ネジはしっかり締めましょう。 

対策としてはハンドルバーウェイトを重いものに交換する、振動対策用のインナーウェイトを装着する、となります。

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↑ アクティブ製「インナーウェイト」(¥2,200)

ハンドルに発生する振動を減衰させる機能を持っている。

効果は高いが、バイクによっては最初からインナーウェイトが装着されているので、その場合は買っても意味が無いかも。

インナーウェイトはエフェックスやPOSHからも出ています。

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↑ POSH製「ウルトラヘビーバーエンド」(¥7,370)
一個あたり330gの重量級バーエンド。

私は使用したことがありませんが、この値段と重量なので効果はあるのだと思います(たぶん)。

 

 

付加機能を持つミラー

カスタムミラーといえば個性的なデザインが思い浮かぶが、性能面でも純正ミラーにはない機能が与えられている製品もあります。

付加機能を持つミラーをいくつか紹介しておきます。

 

・防眩効果を持つタイプ

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↑ タナックスのナポレオンカウリングミラー「AEX-9」(¥9,790)

人間が眩しいと感じる波長の光だけを遮断する効果を持つミラー。

値段は割高だが、夜間の運転で後続車のヘッドライトがミラーに反射して眩しいと感じているなら装着を検討してみるとよいだろう。

画像はタナックスの製品で、防眩効果を持つミラーは他のメーカーからも出ている。

 

・位置調整がしやすいタイプ

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 ↑ タナックスのナポレオンラジカルミラー「AU-8」(¥2,090)

ステー付け根の調整部がボールジョイントになっていて、工具が無くても手でグリグリ動かすだけで簡単にミラー位置の調整が出来る。転倒してもミラーが破損しにくいのも良い。

信号待ちでも簡単にミラー調整ができるし、駐車場所が狭くてもすぐに折りたためる、街乗りに丁度良い実用的なミラー。

 

・折り畳み式タイプ

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↑ DRCの「161オフロードミラー」(¥1,760)

六角レンチを使うだけで簡単に折りたたむことができる。

トランポにバイクを積んだり、練習走行を始める時にいちいちミラーを取り外さなくても済むようになるのが便利。

本格スポーツ派にはありがたいミラー。

 

・親水性を持つタイプ

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↑ POSHの「ハイドロフィリックブルーミラー」(¥5,280)

特殊な表面加工により、水を鏡面に馴染ませることで水滴による視界不良を防止する機能を持っている。

画像のミラーは鏡面が濡れているが、水滴が出来にくいため視界に問題はない。

ちなみにミラー部分は走行風が当たらないため、ケミカル製品での撥水処理は意味がない。

 

・補助ミラータイプ

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↑ TAKATSU ブラインドショットミラー(¥1,000)

補助ミラーを追加してメインミラーとは別角度の視界を確保する。

見た目はカッコよさはともかく後方視界の確保には効果あり、値段がお手頃なのもよい。

 

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